分数コード (応用)
転回形の記事では、「/」のうしろにコードの音を書いて、いちばん下の音を表しました。ここでは、「/」のうしろにコードにない音を書く形と、2つのコードを上下に重ねるポリコードを見ます。
コードにない音のベース
C/D は、C のコード (C・E・G) の下で D を鳴らすという意味です。D は C のコードの音ではないので、転回形ではありません。左手でベースを、右手でコードを弾く形で並べました。
C/D D · C · E · G D9sus4 から第5音を抜いた音
ボタンでコードを選ぶと鳴ります。「和音」「分散」で聞き比べられます。
ベースの上に乗ったコードは、ベースから数えるとテンションになります。F/G を G から数えると、F は短7度、A は長9度、C は完全11度です。3度の音がないので、G9sus4 から第5音を抜いた音と同じになります。F/G のように全音下の長三和音を乗せる形は、sus4 の響きのドミナントとしてよく使われます。
D/C のように、コードにない音に見えても、実は別のコードの転回形になっていることもあります。D・F♯・A に C を足すと D7 なので、D/C は D7 の第7音をいちばん下にした形です。E/C も、C・E・G♯・B と並べ直すと CaugM7 になります。
ポリコード
分数コードの下は1つの音ですが、下にもコードを置いて、2つのコードを重ねることがあります。これをポリコードと呼びます。分数コードと区別するために、「/」ではなく横線で上下に書きます。
G C C · E · G · D · G · B CM9 と同じ音
ボタンでコードを選ぶと鳴ります。「和音」「分散」で聞き比べられます。
C の上に G を重ねると、C・E・G・B・D で CM9 と同じ音になります。C の上に D を重ねると、D・F♯・A が C から見て9度・♯11度・13度になり、テンションを足したコードとして聞こえます。
C の上に F♯ を重ねた形は、ストラヴィンスキーのバレエ音楽『ペトルーシュカ』で使われたことからペトルーシュカ和音と呼ばれます。C と F♯ は6つ先 (増4度) 離れていて、2つのコードがぶつかり合うように聞こえます。
書き方の違い
| 書き方 | 下にあるもの | 例 |
|---|---|---|
| 転回形 | コードの音 (1音) | C/E |
| コードにない音のベース | コードにない音 (1音) | C/D |
| ポリコード | もう1つのコード | DC |
ほかの書き方
C/D は C on D と書くこともあり、日本ではこの形の分数コードを「オンコード」と呼ぶことがあります。ポリコードは、横線の代わりに D|C のように縦線で書く本もあります。
練習
分数コードの名前から鍵を探してください。「/」のうしろの音を、いちばん下で押します。上のコードの音は、オクターブと押す順番を問いません。
F/G を押して 0 / 4 · 連続 0
コード名の音を、鍵盤で全部押します。